■“正しい本の読み方”は存在するか
社会学者で大学教授でもある橋爪大三郎さんの著書『正しい本の読み方』のなかに、次のような一節があります。
いわゆるカードは作りません。一切。 カードを作るのに、けっこう時間がかかる。時間の無駄です。 読書するたびに、カードを作っているひとが、何人もいました。けれども、そういうひとで、論文をどんどん書いているなんて、聞いたことがない。なにかをうみだすのに、読書カードは役に立たないのです。知的生活をしましょう、みたいなテーマの本に、そういうことが書いてあったとしても、信用してはいけない。 カードは抜き書きで、その本質はカット&ペーストです。カット&ペーストなら、いまは簡単にできる。 そんなことから、なにかが生まれることはない。カードは、プロの仕様に向かない。(*1)